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レーザー加工機の種類とステンレス加工のメリットとは?

ものづくりの現場で注目を集めている「レーザー加工技術」。特にステンレス加工分野では、高精度かつ効率的な製造が可能となり、今や必要不可欠な存在となっています。本記事では、レーザー加工機の主な種類とその特長、さらにステンレス加工における利点をわかりやすく解説します。導入のポイントや不良対策、実際の事例まで網羅していますので、ぜひご参考ください。


レーザー加工の基本|レーザーとは何か?

レーザー加工は**「レーザー光」を材料表面に集中的に照射**し、金属などを切断・穴あけ・刻印する非接触加工技術です。

レーザー光は「Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅)」の略。強力なエネルギーを一点に集中でき、極めて細かい加工作業にも対応できます。


レーザー加工の流れ(概要)

  1. CAD図面などを基に加工データを作成

  2. 加工するステンレス板を加工機にセット

  3. 必要な出力・アシストガスなど条件を設定

  4. レーザー照射による切断や穴あけ

  5. 仕上げ・検査を経て完成

設計データがそのまま実物になるため、多品種少ロットや形状変更にも柔軟に対応できます。


レーザー加工機の種類とその機能

レーザー加工機には主に次の2つがあります。

CO2レーザー加工機

  • 二酸化炭素ガスをレーザー発振器に使用

  • アクリルや木材などの非金属材料が得意

  • 厚みのある金属にも対応可能だが、反射しやすいアルミや銅はやや苦手

ファイバーレーザー加工機

  • ファイバー(光ファイバー)を通してレーザー光を伝送

  • 金属、特にステンレスやアルミなどの切断に最適

  • ビーム集束が容易で、高速・高精度な加工が可能

  • メンテナンス性に優れ、省エネルギー


各機種を比較(メリットと使い分け)

加工機種類得意分野特長
CO2レーザー木材,プラスチック,一部金属幅広い素材に対応、低~中厚板向き
ファイバーレーザーステンレス,アルミ,鉄等金属高出力・高精度・保守が楽、中厚~厚板も対応

従来はCO2が主流でしたが、最近では精密加工や生産性、コスト改善を求めてファイバーレーザーが主力となりつつあります。


ステンレス加工のメリットと特徴

ステンレスってどんな素材?

鉄を主成分とし、クロム・ニッケルなどを配合した金属がステンレスです。最大の特徴はサビにくさ(耐食性)。さらに耐熱性や強度、加工性も備え、食品・医療・建築・産業機械など様々な分野で使用されています。

主なステンレス材の種類

  • SUS304:最もオーソドックス。耐食性・加工性が高い

  • SUS316:モリブデン添加で耐塩性が強く、化学・海辺環境に最適

  • SUS430:クロム系で加工性に優れ、家電・建築内装に

  • SUS310:高温耐性抜群、加熱装置や排気系部品向け

ステンレス加工における主な利点

  • 耐食性/耐久性:腐食に強いため長寿命

  • 美しい外観:光沢が長持ちし、手入れも楽

  • 加工可能性の広さ:曲げ・抜き・溶接など幅広い工法が可能

  • レーザー適性が高い:均一な表面と素材特性により微細加工や高速カットが得意


板厚と加工の関係

ステンレス板は板厚によって加工方法や仕上がりが異なります。

  • 薄板(1〜2mm):微細加工や複雑形状の切断、短時間で大量生産に最適

  • 中厚板(3〜6mm):家電・内装・各種装置部品に多用

  • 厚板(7mm以上):強度部材や大型装置向け、加工時間・方法に工夫が必要

最適な加工条件の見極めが品質と生産効率のカギとなります。


レーザー加工における精度・品質の要件

切断面品質

切断部の滑らかさは製品の仕上がりや後工程に直結。バリ(カエリ)が少ないほど工程効率が上がり、コストダウンにもつながります。

加工速度の最適化

加工速度は出力と直結。適切な速度設定で精度をキープしつつ生産性をアップ。

材料ごとの最適化が不可欠


アシストガスの選択と影響

主要なアシストガスと用途

  • 窒素(N2):切断面を酸化させず、高品位な仕上がり

  • 酸素(O2):厚板カット時の効率化や出力向上

用途に応じた運用が不可欠で、切断結果やコストに大きく影響します。


レーザー加工機導入時のポイント

コスト・設置スペース

  • 加工機は高額な投資となるため、システム一式の内容と費用を明確化

  • 数トンの設備もあるため、床荷重や電源、換気・安全施設も要検討

導入後のサポート

  • 信頼できるメーカー・サービス選定が重要

  • トラブル時の迅速対応や定期サポート体制を重視

  • メーカー比較や保証内容も事前確認


不良対策と現場での注意点

安全な利用・取扱

  • 保護メガネや適切な装備の着用

  • 正しい使い方と機械仕様の理解

  • 作業場の周囲安全確認

不良発生時の対応

  • バリや焼けなどを検査項目として一覧化

  • 環境や設定を定期確認で不良を未然防止

  • 加工後は必ず目視・寸法確認を行い、改善開発に活用


ステンレス加工の実績・事例

  • 医療機器カバー部品:衛生・耐薬性が評価され大手メーカー採用

  • 業務用什器・屋外サイン:美観・耐候性が必須な分野で高評価

  • 特殊装置部品:高難度の複雑加工もレーザーなら対応可能

加工現場では**「加工→作業→検査」まで一貫生産**。生産・販売管理もトータルサポートしています。


まとめ|レーザー加工&ステンレスは現代製造業には不可欠

レーザー加工機の進化によって、ステンレスをはじめとした金属素材の加工が従来よりも圧倒的に高精度・高効率・柔軟になりました。
耐食性、耐久性、美観など多彩な業界の要望に応えられるステンレスと先進的なレーザー加工技術は、これからのものづくりをリードし続けていくでしょう。


株式会社ファイネスでは、ステンレスをはじめとする板金加工・機械加工から装置組立まで、埼玉県飯能市の自社工場で一貫生産体制を確立。品質・納期・コストのすべてでお客様にご満足いただける最適ソリューションをご提供しています。

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