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ステンレス加工機械の基本知識

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〜種類/選び方/維持管理のポイントから技術・事例まで徹底解説〜

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はじめに

ステンレスは、その耐食性・美観・強度の高さから、建築・機械・食品・医療など多くの分野で採用される素材です。しかし、素材が優秀だからこそ、「どう加工するか」「どの機械を使うか」で製品の品質に大きな差が生まれます。

本記事では、304や316など代表的材質への理解から、クロムやマルテンサイトなど専門的な話、機械そのものの選び方やメンテナンス、技術課題や解決策、実際の業界事例やお客様の声まで、俯瞰できるよう分かりやすくご紹介します


ステンレス加工機械の種類

多様な加工機械の分類

ステンレス加工用の機械は【切る・削る・曲げる・磨く・つなぐ】の各工程に多くの種類があります。特に、304や316など材質ごとに使う機械や求める精度、最適な加工方法が異なるため、要注意です。

主な加工機械の分類と特徴

加工機械名主な用途・特徴
旋盤/NC旋盤円筒、ねじ切り、精密量産。丸物中心/プログラム制御で多用途。
フライス盤平面・溝・形状加工。多種工具対応や複雑形状に強い。NC付きも多い。
切断機(シャー、レーザー等)板材や棒鋼・パイプ切断。厚み・材質別に機械選択。最新主流はレーザー。
プレス打抜き・曲げ・絞りなど成形量産に。複雑形状も金型の多様化で対応。
研磨機(バフ/ベルト/自動等)表面仕上げ・鏡面・ヘアラインなど。装飾や機能加工、耐食性向上など多い用途。
溶接装置(TIG/CO2/レーザー)組立・接合・密封など。クロム含有や仕上げ状態で適機を選ぶことが不可欠。
放電加工機マルテンサイト系など高硬度・難削合金の精密加工や細穴などに対応。

これら以外にも、3Dレーザー、複合機、AI搭載機といった最新鋭機械も導入が進んでいます。また、用途・材料・製品仕様に応じて機械を組み合わせて、フレキシブルな生産ラインを構築するケースも多いです。


材質ごとのポイント・クロム/マルテンサイトの基礎知識

  • SUS304(オーステナイト系):耐食性と加工性のバランスが良く、最も一般的なステンレス。

  • SUS316:クロム+モリブデン添加で耐食性が高く、化学・海浜・食品・医療分野で多用。

  • マルテンサイト系(例:SUS410):高硬度・耐摩耗性があり刃物や工具に使用。ただし熱処理・研磨はやや難しい。

  • クロム:耐食性のキーファクター。含有量や状態で研磨やプレス適性も変化。

適切な機械選定が成果の8割を決める!
材質や用途ごとに機械を正しく分類・選択することが、高品質&コスト最適化につながります。


ステンレス加工機械の選び方

ポイントを押さえる

  1. ステンレス鋼の特性を把握
    材質ごとの耐食性・耐摩耗性・熱伝導性・構造の違いなどを理解することが、製品長期信頼性に直結します。

  2. 用途・製品に本当に適した機器を選ぶ
    旋盤やNC機器は多品種小ロットや精密加工向き。プレスやレーザーは量産速攻型向きです。

  3. コスト重視だけでなく長期的な投資判断を
    初期費用と維持費、消耗部品の調達性、サポート体制など、目に見えない運用コストも比較しましょう。

実際の選定事例

  • 304の場合:NC付き機器で矩形・曲線も自由度高く加工

  • マルテンサイト系:高剛性旋盤や放電加工機の採用で効率UP

  • 複雑生産:自動機や自動測定付き機種の導入が有効


ステンレス加工機械のメンテナンス

定期検査・部品寿命の管理で長寿命・安定性能

  • 定期検査と保守の徹底
    使用時間や稼働回数を一覧化し、必ず定期チェック。

  • 装置寿命の延伸法
    異音・振動・摩耗部品の検査、マニュアルや資料を活用。

  • 材質ごと(304/316等)の配慮
    切屑や汚れのクリーニング、表面保護、切削油管理を徹底。

  • 部品交換・予備品管理
    事前計画でダウンタイム削減、安定稼働を目指す。


ステンレス加工の方法と技術

切削加工の基本

  • 材料選定が出発点(304や316によって難易度・コストが異なる)

  • 硬度が高く焼き付きやすいため、冷却や油、送り速度など基本条件を徹底

  • 切断・カット精度は建築から精密部品まで品質を左右

曲げ加工の技術

  • 精度重視:設計図に沿い±0.2mmや0.1度以下で工程管理

  • 複雑形状には自動バックゲージや自動測定付き機種が有効

  • 加工都度の測定記録で歩留まり向上

溶接加工のポイント

  • 部品適合性の徹底(穴あけ・端面仕上げ)

  • 高品質な表面処理(脱脂・酸洗い)

  • 溶接条件の最適化(通電・電流・シールドガス)


ステンレス加工の課題と解決策

  • 加工硬化:加工品が硬くなりやすく、工程設計・条件管理が不可欠

  • 熱管理:温度過昇や熱伝導率差に注意、熱処理を適切に

  • 工具選定:高品質・長寿命な工具を柔軟に選択、メンテナンスも共有


ステンレス加工の実績と事例

業界別事例と当社の強み

  • 建築業界:内装・外壁パネル、耐食性・美観重視

  • 食品機械:304/316材質で衛生・耐久・安全規格クリア

  • 医療器具:SUS316で耐薬品性活用

  • 一般機械分野:難形状・小ロット・多品種対応

成功事例の分析

  • 医療機器ケース:納期遵守率98.7%、品違い発生比率0.2%以下

  • 食品製造ライン部品:シェアNo.1(sus製品取扱量5万点超)

  • 他社比較:難削材成形加工コスト20%ダウン


株式会社ファイネスでは、ステンレスをはじめとする板金加工・機械加工から装置組立まで、埼玉県飯能市の自社工場で一貫生産体制を確立。品質・納期・コストすべてでお客様に最適ソリューションをご提供しています。

「こんな部品を試作したい」「量産プロジェクトのコストを抑えたい」「とりあえず見積りがほしい」など、ご要望やお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが貴社のニーズを丁寧にヒアリングし、最適プランをスピーディにご提案いたします。

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